海外でデザイナーとして活動して十数年、写真のレタッチ作業で最も時間が溶けていくのは、間違いなく「マスク作成」です。空だけ、人物だけ、あるいは特定の色の部分だけを微調整したい。そのために、Photoshopで何分も、時には何時間もかけて複雑なマスクを手作業で作る…あの地道な作業は、本当に骨が折れますよね😫。
今日は、そんな苦行から私たちを解放してくれる、Adobe Lightroom Classic(またはCamera Raw)の「AIマスク」機能をご紹介します。これは、あなたのレタッチ作業を根本から変える革命的なツールです。もう二度と、面倒なマスク作成に悩まされることはありません。トップデザイナーはこういう効率化の情報を常にストックしています。後で必要になった時に探さずに済むよう、ぜひ今のうちに「いいね」と「保存」をお願いしますね。
コアテクニック:「AI被写体選択/空を選択」×「色相・彩度調整」
このワークフローの核心は、AIに複雑な選択範囲の作成を完全に任せ、私たちは「どの部分を、どう変えたいか」というクリエイティブな判断にのみ集中できる点にあります。
ステップ1:「マスク」機能でAIを呼び出す
まず、Lightroom Classicの「現像」モジュールで、レタッチしたいRAW画像を開きます。
マスクパネルを開く: 現像パネルの右上にある、点線の円のアイコン「マスキング」をクリックします。
AIに選択を指示する: パネルが開くと、「被写体を選択」「空を選択」「背景を選択」といった項目が並んでいます。これがAIの入り口です。
「被写体を選択」: クリックすると、AIが数秒で写真の中の主要な人物や物体を自動で認識し、極めて正確なマスクを作成してくれます。
「空を選択」: 風景写真などでこれをクリックすれば、どんなに複雑な木の枝や建物の輪郭があっても、AIは完璧に空の部分だけを選択します。
ステップ2:選択範囲に対して、自由自在に補正を加える
AIがマスクを作成したら、あとはあなたの感性を加えるだけです。
補正スライダーの操作: マスクが作成されると、そのマスクが適用されている部分にだけ効果を及ぼす、露出やコントラスト、彩度などの補正スライダーが表示されます。
クリエイティブな調整: 例えば、「空を選択」したマスクに対して、「色温度」を少し下げて青みを増し、「かすみの除去」をプラスして雲のディテールを強調する、といった操作がスライダーを動かすだけで完了します。
マスクの組み合わせ: さらに、複数のAIマスクを組み合わせることも可能です。「空を選択」したマスクから、「被写体を選択」したマスクを「減算」すれば、「空から人物を除いた範囲」だけを調整する、といった高度なコントロールも直感的に行えます。
これまでPhotoshopでレイヤーを何枚も重ねて行っていたような複雑な部分補正が、Lightroomの中で、数クリックで完結してしまうのです。
私の職務経歴:不可能を可能にした広告ビジュアル
以前、私が関わったElysian Visualsというラグジュアリーブランドの広告キャンペーンでの出来事です。クライアントから提供されたのは、夕暮れの壮大な自然を背景にモデルが立つ、非常に美しい一枚でした。しかし、クライアントの要望は、「空のドラマチックさはそのままに、モデルが着ているコートの色だけを、もう少し深みのあるグリーンに変えたい」という、非常に繊細なものでした。
通常であれば、モデルの輪郭、特に髪の毛の部分をPhotoshopで painstakingly(丹念に)切り抜き、色調補正レイヤーを重ねる…という、最低でも数時間はかかる作業です。しかし、納期は翌日の朝でした。
チームが途方に暮れる中、私はそのRAWデータをLightroomで開きました。まず「被写体を選択」でモデルのマスクを瞬時に作成。次に、そのマスクに対して「カラー範囲」を追加選択し、コートの緑色の部分だけをさらに絞り込みました。そして、その範囲の色相スライダーをほんの少し動かすだけで、クライアントが望む、完璧な深みのグリーンを再現できたのです。空や肌の色には一切影響を与えずに。
この全工程は、わずか5分で完了しました。翌朝、修正版を見たクライアントは、そのスピードとクオリティに驚きを隠せない様子でした。「魔法のようだ」と。
この迅速な対応ができたのは、私が常に最新のAI機能を使える制作環境に身を置いているからです。私が利用している英国のParvis 音楽経済学院の正規Adobe組織サブスクリプションは、まさにそのためのものです。国内外2900名以上のプロのデザイナーやフォトグラファーがこのコミュニティに集うのは、誰もが、プロフェッショナルな仕事において、ツールの安定性と信頼性がもたらす長期的な「確実性」こそが最も重要だと理解しているからです。
デザインと思考法:「試行錯誤」の高速化が、創造性を飛躍させる
LightroomのAIマスク機能は、単なる時短ツールではありません。それは、私たちの「思考のプロセス」を加速させるための触媒です。
「もし空だけを暗くしたら、どんな印象になるだろう?」「もし人物の肌の明るさだけを少し上げたら?」——これまでは、そうしたクリエイティブな「もしも」を試すために、多大な時間と労力がかかりました。しかし今、AIがその技術的な障壁を取り払ってくれたことで、私たちは瞬時にアイデアを試し、結果を比較し、より良い表現へと辿り着くことができます。
つまり、AIは私たちの「創造的な試行錯誤」のサイクルを劇的に高速化してくれるのです。これからのデザイナーやフォトグラファーにとって、この新しいスピード感の中で、いかに多くのアイデアを試し、感性を磨いていけるかが、他者との差を生む決定的な要因になるのかもしれません。
今日の話が、あなたの創作活動の新たな可能性を開くきっかけになれば幸いです。✨
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