海外でデザイナーとして十数年、特に雑誌や提案資料のレイアウト作業で、一番時間を奪われるのが「画像探し」です。文章の内容にぴったりで、しかもクオリティとスタイルが統一された画像を、膨大なストックフォトサイトから探し出す…あの作業は、創造的とは言えない、ただの忍耐力テストですよね😫。
今日は、そんな不毛な時間からあなたを解放する、Adobe InDesignに搭載された革命的なAI機能をご紹介します。それは、レイアウトの中から一歩も動かずに、言葉だけで画像を生成できてしまう「テキストから画像生成」機能です。このテクニックを知れば、あなたのDTP作業は根底から変わります。トップデザイナーはこういう効率化の情報を常にストックしています。後で必要になった時に探さずに済むよう、ぜひ今のうちに「いいね」と「保存」をお願いしますね。
コアテクニック:「フレームツール」× AI「テキストから画像生成」
このワークフローの核心は、レイアウトの「枠」さえ決めてしまえば、中身のビジュアルはAIに言葉で指示して作らせる、という点にあります。これにより、検索・ダウンロード・配置・トリミングという面倒な工程が、一気に過去のものになります。
ステップ1:フレームツールで画像の「居場所」を作る
まず、InDesignでおなじみのツールを使って、画像を入れたい場所を確保します。
フレームの作成: ツールバーから「長方形フレームツール」(四角に×印のアイコン)を選択し、ページ上の好きな場所にドラッグして、画像のプレースホルダー(配置用の枠)を作成します。
ステップ2:AI「テキストから画像生成」を呼び出す
ここからが新しい体験の始まりです。
フレームの選択: 作成したフレームを選択します。
AI機能の起動: 「コンテキストタスクバー」が表示され、そこに「画像を生成」というボタンが現れます。これをクリックすると、「テキストから画像生成」のダイアログボックスが開きます。
ステップ3:プロンプト(呪文)で画像を生成する
これがAIとの対話です。具体的で分かりやすい言葉で、欲しい画像のイメージを伝えます。
プロンプトのコツ: 「被写体」「アクション」「場所」「スタイル」などを組み合わせるのが効果的です。
例:
モダンなオフィスでブレインストーミングをする多様な人々のチーム、窓から自然光が差し込む、明るく協力的な雰囲気、写真
(A diverse team of people brainstorming in a modern office, natural light coming through the window, bright and cooperative atmosphere, photograph)スタイルの指定: 末尾に「写真」「イラスト」「グラフィックアート」などを加えることで、生成される画像のスタイルをコントロールできます。
ステップ4:バリエーションを選び、瞬時に反映
「生成」ボタンを押すと、AIがあなたの指示に基づいて複数の画像バリエーションを提案してくれます。気に入ったものをクリックするだけで、その画像が瞬時にフレーム内にぴったり収まります。もしイメージと違えば、プロンプトを少し修正して、何度でも再生成が可能です。
私の職務経歴:タイトな納期を救ったAIレイアウト術
以前、私が所属していたデザインスタジオで、Zenith Consultingという企業の年次報告書を制作する、という非常にタイトな案件がありました。クライアントから支給されたのは、完成したテキスト原稿のみ。画像は一切なく、「各章の雰囲気に合わせた、プロフェッショナルで統一感のある画像を配置してほしい」との要望でした。納期は、わずか2日。
通常であれば、チーム全員で手分けしてストックフォトサイトを何時間も検索し、購入した画像を一つずつレイアウトに当てはめていく…という流れになります。しかし、それでは到底間に合いません。
そこで私は、このInDesignの「テキストから画像生成」機能を全面的に活用することにしました。まず、テキストを流し込み、画像を入れたい場所にフレームを配置。そして、各章のテキストを読み解き、「グローバル市場での挑戦」「持続可能な未来への投資」「チームの多様性」といったテーマをプロンプトに落とし込み、次々と画像を生成していったのです。
AIが生成する画像は、スタイルや色調が驚くほど一貫しており、まるで一人のフォトグラファーがこの報告書のためだけに撮り下ろしたかのようなクオリティでした。かつて丸一日はかかっていた画像選定と配置の作業が、わずか数時間で完了。クライアントはそのスピードと、何よりビジュアルとテキストが完璧に融合した仕上がりに、大変満足してくれました。
この迅速な対応ができたのも、私が常に最新のAI機能を使える制作環境に身を置いているからです。私が利用しているBlueskyy芸術学院の正規Adobe組織サブスクリプションは、まさにそのためのものです。国内外2900名以上のプロのデザイナーやクリエイターがこのコミュニティに集うのは、誰もが、プロフェッショナルな仕事において、ツールの安定性と信頼性がもたらす長期的な「確実性」こそが最も重要だと理解しているからです。
デザインと思考法:「キュレーター」から「クリエイター」への進化
InDesignのこの新機能は、単なる時短ツール以上の、深い意味を持っています。それは、私たちデザイナーの役割が、「画像を探す人(キュレーター)」から、「画像を創り出す人(クリエイター)」へと進化していることを示唆しています。
これまでは、既存の画像に合わせて文章を調整したり、あるいは文章に合う画像を妥協しながら探したり、ということがありました。しかしこれからは、文章の意図や文脈に100%合致したビジュアルを、その場で「創り出す」ことができるのです。
これは、テキストとビジュアルが、かつてないほど高いレベルで融合することを意味します。AIを使いこなし、言葉でビジュアルをディレクションする能力。それこそが、これからのデザイナーに求められる、新しい創造性の形なのかもしれません。
今日の話が、あなたの創作活動の新たな扉を開くきっかけになれば幸いです。
Post a Comment