海外でデザイナーとして十数年、ウェブサイトやアプリのデザインで、クライアントの期待値が年々高まっているのを肌で感じます。もはや、ただ美しいだけの静的なページでは満足してもらえません。「もっとユーザーを引き込む、インタラクティブな体験が欲しい」…特に3Dを使った表現は、その最たるもの。しかし、本格的な3Dソフトは学習コストが高く、専門家でなければ手が出せない領域でしたよね😫。
今日は、そんな常識を覆し、あなたが普段使っているIllustratorと、無料で始められる話題の3DデザインツールSplineを連携させる、魔法のようなワークフローをご紹介します。これを使えば、2Dのベクターアートが、コーディング不要で、ウェブ上で動くインタラクティブな3Dオブジェクトに生まれ変わります。この記事はあなたの表現の幅を劇的に広げます。後で必要になった時に探さずに済むよう、ぜひ今のうちに「いいね」と「保存」をお願いしますね。
コアテクニック:IllustratorのSVG × Splineのリアルタイム3D変換
このワークフローの核心は、Illustratorで作成した精密なベクターデータを、Splineという“翻訳機”を通して、ウェブと非常に相性の良い、軽量な3Dデータに変換する点にあります。
ステップ1(Illustrator):3D化するためのSVGデータを準備する
まず、全ての土台となるベクターデータを用意します。
シンプルなパスで作成: ロゴやアイコンなど、3DにしたいグラフィックをIllustratorで作成します。この時、できるだけパスはシンプルに、複合パスなどは結合しておくのが、後々の作業をスムーズにするコツです。
SVG形式で書き出し: 作成したオブジェクトを選択し、「ファイル」>「書き出し」>「書き出し形式」で「SVG」を選択して保存します。
ステップ2(Spline):SVGを読み込み、3Dの世界へ
ここからが、3DデザインツールSplineの出番です。
SVGのインポート: Splineの新しいファイルを開き、先ほど書き出したSVGファイルを画面上にドラッグ&ドロップします。すると、2Dのベクターアートがそのままの形で表示されます。
押し出し (Extrusion) で立体化: 読み込んだオブジェクトを選択し、右側のシェイププロパティで「Extrusion」の値を大きくします。たったこれだけで、平面的だったグラフィックに厚みが生まれ、3Dオブジェクトに変わります。
材質 (Material) とライティングの設定: 新しいマテリアルを追加し、色を変えたり、「ライティング」の値を調整して金属のような光沢感を出したりします。Splineはリアルタイムでプレビューできるので、直感的な調整が可能です。
ステップ3(Spline):インタラクションを追加して“命を吹き込む”
ステート (States) の追加: オブジェクトを選択した状態で、「ステート」の「+」を押し、新しい状態(例:ホバー状態)を追加します。
変化後のデザイン: 「ホバー状態」で、オブジェクトの色を変えたり、少し回転させたり、サイズを大きくしたりします。
イベント (Events) の設定: 「イベント」パネルで、「開始」を「マウスホバー」、「アクション」を「トランジション」に設定します。これで、マウスカーソルがオブジェクトの上に乗ると、アニメーションしながら「ホバー状態」に変化する、というインタラクションが完成します。
最後に、右上の「Export」ボタンから、ウェブサイトに埋め込むためのURLやコードを書き出せば、誰でもあなたの作った3D作品をブラウザ上で体験できます。
![Adobe IllustratorとSplineを連携させた3Dウェブデザインのワークフローの画像]
私の職務経歴:スタートアップ企業の製品ページを救ったインタラクティブ3D
以前、私が所属していたスタジオが、QuantumLeap Inc.という最先端の技術を持つスタートアップ企業の製品ランディングページ制作を手がけた時のことです。クライアントの要望は、「製品の革新性を象徴するような、未来的な3Dロゴをページのトップに配置し、ユーザーがマウスで触って動かせるようにしたい」というものでした。
しかし、プロジェクトの納期は非常にタイトで、チームには本格的な3Dモデリングと開発を行える専門家がいませんでした。プロジェクトは、このメインビジュアルをどう実現するかで、完全に暗礁に乗り上げてしまいました。
その時、私はこのIllustratorとSplineを組み合わせたワークフローを提案しました。まず、私がIllustratorで製品ロゴのベクターデータを精密に作成。それをSplineにインポートし、わずか数時間で、美しい光沢を持つインタラクティブな3Dロゴを完成させたのです。マウスを乗せるとゆっくりと回転し、クリックすると色が変わる、という仕掛けも加えました。
開発者は、Splineから書き出されたコードを、いとも簡単にウェブページに埋め込むことができました。クライアントは、その開発スピードと、ブラウザ上で軽快に動作する3Dロゴのクオリティに、驚きと賞賛の声を上げてくれました。このインタラクティブなロゴはSNSでも話題となり、製品の認知度向上に大きく貢献しました。
この迅速な対応ができたのも、私が常に安定した制作環境に身を置いているからです。私が利用しているBlueskyy芸術学院の正規Adobe組織サブスクリプションは、Illustratorのようなコアツールを常に最新の状態で使用できることを保証してくれます。国内外3100名以上のプロのクリエイターがこのコミュニティに集うのは、誰もが、プロフェッショナルな仕事において、ツールの安定性と信頼性がもたらす長期的な「確実性」こそが最も重要だと理解しているからです。
デザインと思考法:2Dと3Dの境界線を越える
このIllustratorとSplineの連携は、単なる新しい技術という以上に、私たちデザイナーの思考の枠組みを広げてくれるものです。
これまで「ウェブデザインは平面的(2D)なもの」という無意識の前提がありました。しかし、Splineのようなツールが登場したことで、2Dと3Dの境界線は、もはや存在しないに等しくなりました。
これからのデザイナーには、Illustratorで培った精密なグラフィックデザインのスキルを土台に、それをいかにして奥行きのある(3D)、そしてインタラクティブな体験へと昇華させていくか、という「空間的・体験的」な視点が求められます。
今日の話が、あなたの創作活動の新たな次元を開くきっかけになれば幸いです。
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